AO 3骨粗鬆症好発部位

大腿骨

Femur

大腿骨は人体最長かつ最強の長管骨であり、股関節と膝関節を結ぶ。大腿骨頭は深部ソケット(寛骨臼)に収まり、頸部は体に対して約125°の頸体角および前捻角を持つ。骨幹部は前方に弯曲(前弯)しており、骨幹部骨折の整復・固定に影響する。

大腿骨近位部骨折(大腿骨頸部骨折・転子部骨折)は高齢者の骨粗鬆症性骨折として最も臨床的に重要。1年死亡率は約15〜20%と報告され、早期手術(受傷後48時間以内)が推奨される(JOAガイドライン推奨グレードA)。大腿骨頭への血流は主に内側・外側大腿回旋動脈から供給されるため、頸部骨折では骨頭壊死リスクが高い。

骨粗鬆症による脆弱性骨折が多発する部位。高齢患者では骨粗鬆症の評価・治療介入(OLS)を同時に推奨。

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近位部A単純3
31-A1 骨折パターン図
31-A1手術骨粗鬆症JOAA

大腿骨転子部骨折(単純型)

Pertrochanteric Fracture, Simple

大転子から小転子を通る単純な骨折線を有する転子部骨折。大転子と小転子の両方が骨折片に含まれるが、後内側皮質(小転子を含む骨片)の骨折片数が少ない安定型骨折。AO分類31-A1では骨折線が1本で、内側皮質の支持が比較的保たれる。内側皮質の接触が保たれるため、スライディングヒップスクリュー(SHS)および髄内釘いずれも適用可能であり、術後早期から荷重開始が可能な安定型骨折の代表例である。

31-A2 骨折パターン図
31-A2手術骨粗鬆症JOAA

大腿骨転子部骨折(多骨片型・不安定型)

Pertrochanteric Fracture, Multifragmentary

後内側皮質(小転子を含む骨片)に多骨片を有する不安定型転子部骨折。内側支持柱(小転子含む骨片)が複数の骨片に分かれており、整復後の安定性が31-A1より低い。後内側の骨折が小転子上縁から小転子下縁までの範囲にある。転子部骨折の中で最も頻度が高いサブタイプの一つ。

31-A3 骨折パターン図
31-A3手術骨粗鬆症JOAA

大腿骨転子部骨折(逆斜骨折・横骨折型)

Pertrochanteric Fracture, Reverse Oblique / Transverse

骨折線が内側から外側に向けて近位方向に走行する逆斜骨折(reverse oblique)または横骨折(transverse)の型を呈する高度不安定型転子部骨折。大腿骨骨幹部の内側転位(medial displacement)を来す傾向があり、スライディングヒップスクリューでは対応困難なため、髄内釘の適応となる。転子間骨折の中で最も不安定な型。