橈骨遠位部の関節面全体が橈骨骨幹端から完全に離断し、関節面骨折線・骨幹端骨折線ともに単純な完全関節内骨折 (AO/OTA 2018分類:Complete articular, simple articular, simple metaphyseal)[1] 。AO分類23-C1に相当し、月状骨窩(lunate facet)と橈骨茎状突起(radial styloid)を含む関節面が転位する。AO/OTA分類は関節外・部分関節内・完全関節内の3タイプが重症度の低い順に体系化されており、23-C1は完全関節内のうち関節内骨折線・骨幹端骨折線ともに単純な型である[1] 。手関節の解剖学的整復と安定した内固定が長期機能予後の鍵となる。月状骨窩(中間柱)の整復が鍵であり、安定した解剖学的固定が得られればDRUJ損傷の多くは追加治療を要しない [1] 。掌側ロッキングプレートは近年広く用いられているが、特定の術式が他に優るという十分なエビデンスはない[2] 。
重症度・疫学
発生頻度: 橈骨遠位部骨折は上肢で最も多い骨折であり、救急部で治療される全骨折の1/6以上を占める(小児では全骨折の25%、高齢者では18%)。転位・不安定例など約30%がより複雑で外科的治療を要する[1]
好発: 小児で最も高い割合を占め(小児の全骨折の25%)、高齢者でも全骨折の18%を占める。DRFは若年成人の健康にも重大な影響を及ぼす[1]
受傷機転: 手掌を突いた転倒(FOOSH:Fall On OutStretched Hand)による過伸展(背屈)力が最多。低エネルギー転倒では背側転位した関節外・関節内骨折を、高エネルギーの軸圧外傷では関節面骨片の嵌入を生じる[1]
治療方針: 転位・不安定例には手術(ORIF)が考慮されるが、65歳以上の背屈骨折では徒手整復+ギプス固定と外科的固定で長期成績の差は実証されておらず、高齢患者の合併症率は手術群で有意に高い[1]
注意すべき合併症
遠位橈尺関節(DRUJ)不安定性(三角線維軟骨複合体[TFCC]損傷・尺骨茎状突起骨折に伴う)[1]
正中神経障害(受傷直後の急性手根管症候群、不適切なギプス固定や骨片転位による亜急性発症)[1]
腱損傷・腱断裂(ギプス固定後のEPL断裂;掌側プレートを遠位に配置しすぎ回内方形筋で被覆しなかった場合の屈筋腱滑膜炎・断裂;背側スクリュー貫通による伸筋腱断裂)[1]
外傷後手関節変形性関節症(関節面転位 >2mm はX線上の不安定性を示唆する所見で、ニーズの高い患者の整復後転位を伴う背屈骨折では手術適応となる。ロッキングプレート固定の長期成績と関節症リスクへの影響はまだわかっていない)[1]
複合性局所疼痛症候群(CRPS):きついギプスによる腫脹や手関節の無理な肢位が原因で発生する[1]
関節内・関節外の変形癒合(不安定な多骨片骨折や晩期の骨片嵌入に対する治療が不十分・不適切な場合にみられ、骨粗鬆症の骨折患者で多い)[1]
DVT/PE(高齢者・長期臥床例、頻度は低いが開放骨折合併例では注意)
治療方針
⚠️ 保存療法(限定的適応)
→ 整復後に橈骨短縮 >3mm・背側傾斜 >10°・関節面転位 >2mm のいずれかを認める骨折には、ギプス固定よりも外科的固定を提案する(推奨強度Moderate)。初期に十分整復された不安定骨折に対するギプス固定の是非は結論が出ていない(Inconclusive)[2] → 65歳以上の背屈骨折では、徒手整復+ギプス固定と掌側ロッキングプレート固定の12か月後の転帰に差はなく、手術群で合併症率が有意に高い[1] → 粉砕が重度で整復後の再転位リスクが高い骨折では、K-ワイヤのみでは整復位を維持できず創外固定器での補強を検討する[1] → 掌屈・尺屈を強いる極端な手関節肢位("cripple cast")での固定は手指拘縮とCRPSのリスクを増大させるため禁忌[1] 。保存療法例では固定中3週間にわたる継続的なX線評価と固定終了時の評価を行う[2]
🔷 手術適応基準・術式選択
ℹ 掌側ロッキングプレートは背側転位した屈曲骨折でプレート自体を整復ツールとして使え、軟部組織合併症が少なく早期モビライゼーションが可能。ただし最適な術式を一つに定めるエビデンスはない[1] [2] ℹ 手術適応(ニーズの高い患者の整復後転位を伴う背屈骨折):橈骨短縮 >3mm、背側傾斜 >10°、関節面転位 >2mm[1] [2] ℹ ロッキングヘッドスクリューはX線で確認しながら軟骨下骨に挿入する。プレートの縦軸を橈骨骨幹部に合わせると自動的に palmar inclination が正常になるようオフセット角度がデザインされている[1] ℹ 代替術式:背側プレート — 背側剪断骨折・橈骨手根脱臼、経皮的に整復不可能な転位のある背側月状骨窩骨片、中心部に嵌入した骨片が適応[1] ℹ 創外固定:汚染した重篤な開放骨折、高エネルギー外傷の一時的固定、多発外傷、術中のディストラクタ、プレートやワイヤで安定した固定が得られない場合の追加装置として考慮[1] ℹ DRUJ不安定性は固定後に評価するが、安定性のある橈骨遠位部の解剖学的固定が得られた場合、合併するDRUJ損傷のほとんどは追加の外科的治療を必要としない[1]
治療選択アルゴリズム — 23-C1完全関節内単純型・掌側ロッキングプレートを第一選択とした術式選択フロー
診断・評価
手関節の腫脹・変形・疼痛・荷重(把持)不能。すべての手関節骨折で開放創(通常は掌側・尺側)と正中神経・尺骨神経損傷の検索を行う 。高エネルギー外傷ではコンパートメント症候群を生じる可能性もある[1] 。遠位橈尺関節の圧痛と前腕回内外可動域を確認(DRUJ損傷の評価)。
X線正面像・側面像(手関節2方向): すべてのDRFで正面像・側面像を撮影し、斜位像や健側の比較像も有用。正面像で radial height(平均12mm)・radial inclination(平均23°)・ulnar variance を、側面像で palmar inclination(平均12°)を計測する[1] 。すべての患者で整復後に手根部の真の側面像を撮影しDRUJアライメントを評価する[2] 。
CT(3D-CT): 単純X線で橈骨尺骨切痕・月状骨窩・舟状骨窩の関節面の適合性や転位が説明できないときに行う。矢状面と冠状面の三次元再構成CTは骨片の位置・サイズ・骨幹端部への及び方について正確な情報を与える[1] 。関節内骨折型の診断精度を上げる選択肢となり、手関節靱帯損傷の診断精度には関節鏡が選択肢となる(いずれも推奨強度 Weak)[2]
術前X線正面像・側面像 — 橈骨遠位完全関節内骨折(23-C1)。正面像で橈骨高喪失・尺骨プラス変形、側面像で背側転位・掌側傾斜消失を評価
術前CT横断面・矢状断面 — 関節面骨折線の方向(矢状面または前額面)・月状骨窩と舟状骨窩の分離・転位量の三次元評価
✅ 許容される整復
✓ 関節面転位(articular step-off)≦2mm(>2mm は不安定性を示唆し手術適応となる)[1] [2] ✓ 整復後の橈骨短縮 ≦3mm(>3mm では外科的固定を提案)[2] ✓ 掌側傾斜(palmar inclination):正常は平均12°。背側傾斜 >10° は外科的固定の適応となる[1] [2] ✓ 橈骨傾斜角(Radial Inclination):正常は平均23°[1] 。15°未満はアライメント不良と判定される[4] ✓ 尺骨バリアンス:橈骨短縮 ≦2mm(2mmを超える橈骨短縮は転位と定義される)[3] ✓ DRUJ安定性の確認(尺骨頭を橈骨尺骨切痕に押し付けるように圧迫しながら前腕を他動的にフルに回内外させる)[1]
❌ 許容されない変形
✕ 関節面転位 >2mm(X線上の不安定性を示唆する所見。外科的固定の適応)[1] [2] ✕ 橈骨短縮 >5mm(X線上の不安定性を示唆する所見)[1] 。整復後の短縮 >3mm は手術固定の適応となる[2] ✕ 背側傾斜(dorsal tilt)>10°(整復後にこれを超える場合は外科的固定を提案)[1] [2] ✕ 橈骨傾斜角 <15°(アライメント不良と判定される)[4] ✕ DRUJ不安定性の残存(尺骨頭を橈骨尺骨切痕に圧迫しながら前腕を他動的にフルに回内外させ、"カクッ"という感触の有無で判断する)[1]
手術手技
体位
仰臥位: 患側上肢を放射線透過性の手台上に置く。止血帯を巻き、大きなドレープを患者の身体全体にかけ、ドレープの端を患肢に巻き付けて上肢を隔離する。手台下に配置しドレーピング不要のX線管を除いて透視装置をドレーピングする。執刀医は患者の体側に座り、手台を挟んで反対側に助手が座る[1] 。
体位・透視設定 — 仰臥位・アームボード上に前腕回外位固定。術中透視でAP/側面確認が可能な配置。上腕駆血帯使用
掌側ロッキングプレート(Volar Locking Plate)ORIF
掌側ロッキングプレート設置後の術中透視正面像・側面像 — 関節面整復確認・遠位ロッキングスクリュー関節直下配置
アプローチ(Step 1): 橈側手根屈筋(FCR)腱に沿って縦皮切をおく。FCRの腱鞘を開き腱を尺側へ引き、正中神経を圧迫しないよう細心の注意を払う。FCR腱鞘の深層の長母指屈筋(FPL)を遊離して尺側へよけると回内方形筋(方形回内筋)が現れる。方形回内筋を近位の橈骨付着部より挙上し、遠位に向かい逆L字型に展開する(Lの横棒は方形回内筋とwatershed lineの線維性移行部におく)[1]
骨折の整復(Step 2): 背側転位した屈曲骨折では、ロッキングプレートを橈骨遠位端の掌側にあて、プレート自体を整復のツールとして利用できる。遠位骨片にプレートを固定したのち、プレートを骨幹部に合わせることで整復が得られる[1] 。関節内骨折では関節鏡による関節面の評価も選択肢となる[2]
プレート設置(Step 3): 橈骨遠位端の掌側面は平坦であり、この表面に平坦なインプラントをあてれば自動的に骨片の位置異常が整復される。プレート固定は橈骨の尺側から始め、透視下で橈骨の尺骨縁のスクリュー位置を確認する[1]
遠位ロッキングスクリュー挿入(Step 4): ロッキングヘッドスクリューはX線で確認しながら軟骨下骨に挿入する。透視下で橈骨の尺骨縁のスクリュー位置を確認し、橈骨手根部・遠位橈尺関節・背側皮質を貫通しないよう心がける[1]
近位固定(Step 5): 橈骨骨幹部にプレートを固定する。橈骨遠位骨幹端部の皮質は薄く、従来のスクリューのねじ山のピッチでは十分な固定性が得られないため(特に骨粗鬆症)、固定角度を有するインプラントが有用である[1]
DRUJ評価(Step 6): 固定後に尺骨頭を橈骨尺骨切痕に押し付けながら前腕を他動的にフル回内外させ、"カクッ"という感触の有無を確認する。スクリューが橈骨手根関節・遠位橈尺関節・背側皮質を貫通していないことを透視で確かめる。ただし橈骨の安定した解剖学的固定が得られれば、合併するDRUJ損傷のほとんどは追加の外科的治療を要しない[1]
最終透視確認(Step 7): 正面・側面に加え、傾斜させたX線ビームで遠位スクリューが関節内を貫通していないことを確認する[1] 。遠位インプラントの位置決め・不適切な進入法・不適切な透視操作(傾斜した側面像)はスクリューの関節内貫通の原因となる[1]
⚠️ 掌側ロッキングプレート ピットフォール
✕ 掌側プレートを遠位に配置しすぎ方形回内筋で被覆しないと、屈筋腱の滑膜炎と腱断裂を生じる[1] ✕ 遠位インプラントの位置決め・不適切な進入法・不適切な透視操作(傾斜した側面像)でスクリューが関節内へ貫通することがある。多くの場合は骨折の整復不良があり、ロッキングスクリューでリスクがさらに増大する(必ず複数方向透視で確認)[1] ✕ 月状骨窩は中間柱にあり大部分の負荷が通るため橈骨手根関節面の鍵となる。背尺側骨片は橈骨手根関節および遠位橈尺関節の一部であり解剖学的に整復する必要がある。徒手的整復で整復されない場合はK-ワイヤによる経皮的操作か背側アプローチでのORIFを行う[1] ✕ DRUJ不安定性がある患者は成績が不良だが、初回手術時の早期外科的介入が適応かどうかは明らかでない[2] ✕ 橈骨短縮の残存はulnar impaction syndromeのリスクとなり、尺骨短縮骨切り術を要することがある[4]
背橈側ダブルプレート(Dorsoradial Double Plate) — 代替術式
背橈側ダブルプレート術中透視 — 橈骨柱プレート(橈骨茎状突起固定)+中間柱プレート(月状骨窩背側固定)の配置(正面像)
適応: 背側剪断骨折および橈骨手根脱臼、内在性手根靱帯の完全断裂または転位のある手根骨骨折、経皮的に整復不可能な転位のある背側月状骨窩骨片、中心部に圧迫(嵌入)された骨片[1]
アプローチ: Lister結節上に縦皮切をおき、橈骨神経浅枝を保護する。中間柱へは第Ⅲ背側区画底からアプローチし、EPL腱に沿って伸筋支帯を切開してEPLを挙上保護する。骨折型に応じて第Ⅲ・Ⅳ区画間、第Ⅱ・Ⅲ区画間、第Ⅰ・Ⅱ区画間で展開する。創閉鎖時は修復した支帯の上にEPL腱を移行する[1]
橈骨柱プレート: 互いに直角なプレート2枚を使用する場合、第Ⅱ区画の表層を越えて第Ⅰ区画を展開したほうが橈側柱にアプローチしやすい(第Ⅱ区画は展開しない)。橈骨茎状突起の骨片を支持するために2枚目のプレートをあてる[1]
中間柱プレート: 橈骨の背側縁に平行、あるいは大きな関節面骨片の間から関節を背側切開して関節面を観察する。関節面再建後、中間柱を背側プレートで支持固定する。プレート位置は舟状骨窩の関節面転位に応じて直角でも平行でもよく、遠位スクリューは軟骨下骨下に挿入する[1]
DRUJ評価: 固定後に前腕回旋安定性を確認する。安定性のある橈骨遠位部の解剖学的固定が得られた場合、合併するDRUJ損傷のほとんどは追加の外科的治療を必要としない[1]
術後管理
術後X線正面像・側面像 — 掌側ロッキングプレートによる橈骨遠位部骨折固定後。橈骨高回復・掌側傾斜回復・遠位スクリュー関節直下配置を確認
手術タイミング: 手術のタイミングは合併する軟部組織損傷、根治的な外科的固定術の種類とリソースによって異なる。Gustilo grade 2・3の開放骨折や神経血管損傷を伴う骨折は迅速な外科的管理が必要で、最も重篤な軟部組織損傷ではデブリドマン後に関節架橋型創外固定を装着する。手術適応のほとんどのDRFでは、手術を受けるまで徒手整復+ギプス(副子)固定が推奨される[1]
術後の運動: DRF術後は手や上肢全体を運動させることが重要で、前腕の回内外運動も必須。軽い日常生活動作をとおして手指・手関節・肘・肩を運動させる。腫脹軽減のため術後数日は外固定し、手を使用しても固定には問題がないことを患者に伝える[1] 。掌側固定角度プレートによる高齢者の治療では、平均7.1週(5〜10週)で骨癒合が得られた[3]
VTE予防: 上肢単独の骨折では、患者ごとの血栓症リスクに応じて判断する
疼痛管理: 氷冷は補助療法の選択肢となる(推奨強度Weak)[2] 。橈骨遠位端骨折に対して、不均衡な疼痛(CRPS)の予防を目的としたビタミンCの補助投与が提案されている(推奨強度Moderate)[2]
リハビリテーション: 診断後より手指の自動運動を行う(推奨強度 Consensus)。安定した骨折固定後の早期手関節運動はルーチンには必要としない(推奨強度 Moderate)。療法を要する患者ではホームエクササイズプログラムも選択肢となる(推奨強度 Weak)[2]
フォローアップ
術後1週: 創部確認・X線(整復位維持・implant位置の確認)[3]
術後4〜6週: X線(骨癒合の評価)。掌側固定角度プレートでは骨癒合までの平均は7.1週(5〜10週)[3]
術後4〜6週以降: 必要に応じて月ごとにX線を撮影する[3]
最終評価時: X線(整復位の維持を確認)[3]
プレート抜去: 原則として抜去不要(掌側固定角度プレートの連続例では腱関連の合併症はなく、全インプラントが留置されたままであった)[3] 。腱刺激症状がある場合は抜去を検討する
予後
骨癒合:掌側固定角度プレートによる高齢者の不安定型24骨折で、X線上の骨癒合までの平均は7.1週(5〜10週)。プレート破損や有意な整復位喪失はなかった[3]
手関節可動域:75歳以上・掌側固定角度プレート例の最終評価で、背屈平均58°(48〜85°)・掌屈平均55°(35〜82°)・回内平均80°(68〜90°)・回外平均76°(70〜90°)[3]
握力:最終評価(平均63週)で健側比平均77%(67〜105%)[3]
関節面転位 >2mm はX線上の不安定性を示唆する所見であり手術適応となる[1] 。ロッキングプレート固定の長期的な結果と関節症のリスクへの影響はまだわかっていない[1]
主要合併症(65歳以上、手術例129例・非手術例129例の対応コホート):合併症を生じた患者は手術群37例・非手術群22例。最多は正中神経障害(手術8例・非手術14例)、次に術創感染(手術16例、うち12例はピン刺入部感染)、CRPS(手術4例・非手術3例)。術式別の合併症率は掌側プレート22%(16/74)、背側プレート50%(2/4)、創外固定42%(16/38)、経皮ピンニング23%(3/13)[4]
📋 上級医報告前チェックリスト
1 AO分類コードを確認(2R3C1=橈骨、遠位端セグメント、完全関節内、単純関節内+骨幹端単純骨折)[1] 2 X線計測値の確認(radial height 平均12mm・radial inclination 平均23°・palmar inclination 平均12°・ulnar variance・関節面転位量)[1] 3 CT評価(単純X線で橈骨尺骨切痕・月状骨窩・舟状骨窩の関節面の適合性や転位が説明できない場合に施行)[1] 4 正中・尺骨神経損傷の検索(開放創の有無とあわせて全例で行う。徒手整復や観血的整復の前後にも慎重に評価する)[1] 5 DRUJ評価(前腕回旋時の安定性・尺骨茎状突起骨折の有無・TFCC損傷の可能性)。尺骨茎状突起先端の骨折はDRFの50%でみられる[1] 6 舟状月状骨靱帯損傷の評価(X線で舟状骨-月状骨間の開大や、舟状骨の屈曲・月状骨伸展を伴う手根部の不安定性を丁寧に検索する)[1] 7 プレート遠位端位置の確認(方形回内筋で被覆できる位置に留め遠位に配置しすぎない。遠位スクリューが橈骨手根部・DRUJ・背側皮質を貫通しないことを透視で確認する。不適切な透視操作(傾斜した側面像)は関節内貫通の一因となる)[1] 8 術後リハビリ計画の策定(手指の自動運動は診断後より開始。安定した骨折固定後の早期手関節運動はルーチンには必要としない)[2]
文献
Buckley RE, Moran CG, Apivatthakakul T(編)(2018)AO Principles of Fracture Management(第3版). Thieme.(日本語版:AO法骨折治療 第3版、医学書院、2020) DOI: 10.1055/b-006-149767
Lichtman DM, Bindra RR, Boyer MI, et al.(2010)Treatment of distal radius fractures. J Am Acad Orthop Surg, 18(3):180–9. PMID: 20190108
Orbay JL, Fernandez DL(2004)Volar fixed-angle plate fixation for unstable distal radius fractures in the elderly patient. J Hand Surg Am, 29:96-102. PMID: 14751111
Lutz K, Yeoh KM, MacDermid JC, et al.(2014)Complications associated with operative versus nonoperative treatment of distal radius fractures in patients aged 65 years and older. J Hand Surg Am, 39(7):1280–6.